なぜHACCPが義務化されたのか?

  • 国内すべての食品等事業者(90万社以上)に対して、HACCPに基づく衛生管理の導入が求められることになりました。
  • FTA(自由貿易協定)、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)により関税障壁がなくなり海外からの輸入食品が増えれば、安全性を確保する必要性が高まります。
  • 国内事業者にとって、HACCPにより管理された食品を製造・販売できれば、海外輸出の機会が増大します。
  • HACCP導入率の目標は、2021年度で80%。

2020年東京オリンピックに向けた推進

また、政府が義務化を早めた理由は間違いなく『東京オリンピック』です。世界中の人が首都圏に集まるこの時までに、HACCPの義務化を進めておきたいのです。

HACCPが義務化、すなわち改定食品衛生法が施行されるのは『公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日』と定められました。

参考:条文・理由|食品衛生法等の一部を改正する法律(平成30年法律第46号)

義務なのは『HACCP管理の実施』であって『HACCP認証』ではない

さて、義務化というと認証機関の『認証』が必要かと思われますが、求められているのは『HACCPに沿った衛生管理の実施』に過ぎません。

HACCPは「Hazard Analysis and Critical Control Point」の略称で、食品の危害分析・重要管理点方式と訳されています。このシステムは、具体的には次のような内容です。

  1. 食品の製造・加工工程のあらゆる段階で発生する恐れのある微生物汚染等の危害について調査分析(HA)
  2. この分析結果にもとづいて、製造工程のどの段階で、どのような対策を講じれば、より安全性が確保された製品を得ることができるかという重要管理事項(CCP)を定める
  3. これが遵守されているかどうかについて常時モニターすることにより、製造工程全般を通じて製品のより一層の安全確保を図る

図のような取り組みによる継続的な業務改善をおこなっていくことによって、結果的に生産効率・品質・社会的信頼性の向上を図る手法(考え方)なのです。

HACCP取得のメリット

衛生管理レベルの向上

HACCPは食品の安全管理手法ですので、HACCPによって食品等事業者の衛生管理レベルは向上します。HACCPは食品製造において、特に危険性が高い重要管理点をコントロールするものですが、そのHACCPが成立する土台には、日頃から行っている一般的衛生管理が必要とされます。

例えば、手洗いや清掃、さらに、調理器具の消毒を行う頻度なども、HACCP導入の際に作業手順として書式化することになります。

HACCPを導入するにあたり、その一般的衛生管理についても再度確認することになりますので、結果的に衛生管理のレベルは向上することになるのです。

認証取得は義務ではありませんが、この機会に認証取得を取得するという企業が増えています。

クレームの低減

クレームの中で最も多いのがゴミや髪の毛、害虫などが食品に混入してしまう「異物混入」です。しかし、「異物混入」は一般的衛生管理を充実させることで減らすことができます。

つまり、HACCPを導入することで、一般的衛生管理のレベルが向上し、それに伴い異物の混入などを未然に防ぐことができ、その結果としてクレームも減少していくということになるのです。

消費者のイメージアップ

消費者は、安全で安心な食品を購入したいと考えており、食品衛生管理を重視している企業の商品は、自然と手に取られます。

HACCPによる衛生管理を行っているということは、食の安全管理をしっかりと実施していることの一つの証しともなるため、その情報を発信することで、食品会社自身のイメージアップにもつながるでしょう。
それに加えてHACCPに関連する認証を取得することで、より消費者や取引先からの信頼を得られることにもなり、結果的にブランド力の向上にもつながっていくのです。

従業員のレベルアップ

HACCPを導入することにより、何が危害要因(ハザード)となるかを「見える化」することができます。そして、それを書面で管理することで、新人の従業員も「何がリスクなのか」「また、それはなぜリスクなのか」を、すぐに理解することができるようになるのです。

また、その危害要因(ハザード)をどのようにコントロールするかの手順もきちんと定められていれば、万が一の際もスムーズに対処することができます。

このように、今まで不明確だった作業手順が標準化され、従業員の衛生意識もレベルアップするのです。

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