収益性の分析
仕事柄、色々な業種、業態の財務諸表を目にします。
最近、目立っているのがWebチャネルによる
販売に注力している企業です。
動機として既存チャネルの低成長や先細りに対応
しているケースが多いように見受けられます。
しかし、ここであるひとつの傾向が見えて参ります。
自社ホームページからの販売が多い企業様とそうでない
企業様とで、損益分岐点がまるっきり異なるという点です。
わかりやすくいいますと、楽天市場やYahoo!ショッピング
に代表されるモール経由の顧客が多い場合とそうでない場合
との比較で結果に対し大きな差が出るというものです。
一般的にビジネスにおける営業利益率というのは数パーセント
から十数パーセントです。
そういった実体がベースとしてある中で、Webモールへの依存度が
高い企業であれば、その運用維持コストが重くのしかかります。
まず、出店費用そのほかにモール主催のキャンペーン参加費用、
ポイント割引負担金モール主催メールマガジン広告費用などに
代表されます。
それに、クレジットカード決済も多いのでカード会社に支払う
決済手数料もかさみます。(4%〜7%程度)
数だけを拝見すると、ビジネス構造上の問題がそこに浮かび
ます。同じweb販売ビジネスでも自社ホームページとモール出店
ビジネスでは利益率において雲泥の差が生じます。
競争の激しいモールでは商品ラインナップの差が生命線の
ようなのですが、そこにも問題があります。
以前、アマゾンドットコムを例としてロングテール仮説
というのがもてはやされましたが、多品種少ロットの大量在庫を
抱えることが本当によいのかどうかは正直なところかなりの疑問です。
財務面では多くの在庫を実際に抱えることはキャッシュフローを
圧迫することになるので、資金需要を必要とします。
その資金調達先が自己資本ではなく金融機関であった場合は
其の分に金利が上乗せされます。(借入×2%〜4%)
このようにいくつか積み上げていくと、数パーセントずつの出費が
10パーセントを超えて参ります。
はじめのお話のように、そもそもビジネスの営業利益率というのは
数パーセントから十数パーセントです。
下手をせずともマイナスになる可能性が十二分にあります。
あたりまえといえば当たり前ですが、自社ホームページからの
販売だけでやっていくにはどうしたらいいか、ということだけを
考えてスタートするのが最善と思われます。